オーナーのちょこっとばなし/パート1

業界でも異端なスクールを作った理由

(海を楽しんでほしいから効率を捨てた日の話)

海が好きになったから伝えたい「一生続けたい仕事」

初めまして。こんにちは♪
ダイビングスクールサンズ/オーナーの藤田真悟(フジタシンゴ)です。

気がつけば、ダイバーになって15年・・・
インストラクターの仕事をはじめて10年以上になりました。

社会人になってすぐ「ダイバーってなんかかっこいい!モテるんちゃう(照)」
そんな軽い気持ちで始めたスキューバダイビングが、趣味を通り越して「一生続けたい仕事」になるなんて、
当時の私は思ってもみなかったでしょうね!

サラリーマン時代の写真

もともとは大手製造メーカーに勤めていました。
日頃の疲れや、重圧も潜ればすべてリセットになる!!
そんな海の雄大さに魅了されたのがきっかけだったのかもしれません。

ダイバーさんの一言で気づかされたとても大切なこと

どこで働いていても、時間的な効率を求められるのは当たり前ですよね。
サラリーマン時代でもよくあった話ですが、修業時代を送っていたダイビングスクールも同じでした。

業界の中でも地域密着の大型店だったこともあり、毎日時間との勝負!
海に行っても朝から晩まで潜り通しで、受講生やダイバーさんとゆっくり会話をする余裕もなかったぐらいです。

そんな日々を過ごしていると、私自身でなんとも不完全燃焼感がでてきたんです。
「もう少し練習させてあげたいけど、次があるからなぁ~」
「苦手なことなんとかできたけど、これで大丈夫かな?」
「ゆっくり話せる時間があれば、もっと細かい説明できるのに・・・」

そんな私を立ち止まらせた出来事が・・・

ある日、100ダイブ近くも潜るダイバーさんが、
「私、フリー潜降できないんです・・・」と深刻そうな顔で相談されたことでした。
フリー潜降とは、ロープなどの補助具を使わずに、海水面から水中に降りていく方法です。
オープンウォーターでも学ぶ基礎技術になりますが、それができず想い描いたダイビングにチャレンジできないと話されたのです。

実はその方だけでなく、オープンウォーターの基礎となる「浮力コントロール」や「トラブル対処」など、苦手を克服できていない中堅ダイバーさんが数多くいらっしゃったんです。安全面を考えてもできないといけない技術なのにそのままになってしまっていました。

プールトレーニングの写真

インストラクターなのに・・・レクチャーの質や、受講生の習熟度の確認、苦手を克服できる手段の提案・・・
ただ「こなす」だけじゃダメだ!!

どうしたらダイバーさんがもっと上手くなるのか、想い描いた海を楽しんでもらえるか・・・
抜本的にどうしたらいいのか!

他のインストラクターやスタッフにも話して、改善を模索していく中、
最終的に行きついたのが、「効率を捨てる」という答えでした。

想いを実現したい一心で過ごした日々

「効率を捨てる」といっても、簡単ではありません。
・受け入れ人数の制限・レクチャー時間の増強/時間的な制約を取り除く
・スケジュールやカリキュラム構成の見直し
・インストラクターの複数メニューを受け持ちをやめる(1インストラクター・1メニュー)

ここまでなると、大きなスクールではどうしても実現できないこともあります。
「こなしてナンボ」の世界、回さないと食べていけなくなるから、改善提案も当然「NO」になります。

当たり前なことなのかもしれませんが、
自分の想いと日々の業務に乖離が出てきて、かなり苦しんだ時もありました。

藤田さんの写真

それでも、
「自分もダイバーさんも納得できるぐらい、ちゃんと技術レクチャーをしたい」
「もっと1人ひとりのダイバーさんに時間をかけて向き合いたい」
この想いを実現するために動き出しました。

新しい出発!新しいチーム(指導団体)との出逢い!

1年後、お世話になったダイビングスクールから独立し、大阪・天王寺に「ダイビングスクールサンズ」を立ち上げました。
それと同時に、指導団体を「SNSI」へと所属変更しました。

総会の写真

他の指導団体と「SNSI」との違いは・・・
・規定のボーダーラインを越えるのではなく、限りなく高いレベルの技術習得が目標
・水中練習時間を大幅に取った、国際基準よりもはるかに充実したカリキュラム

オープンウォーターダイバーコースなどのライセンス取得コースは、
カリキュラム内容や基準・ボーダーラインが国際基準(ISO)で決まっています。
なので、このボーダーラインを越えるとライセンス取得することは可能です。

ただ、それではインストラクターもダイバーも「こなす」だけになってしまい、「身につける」というレベルには達しないことがわかったんです。

サンズが目指すものは、
「最短で楽しく潜れるように上手くなる」です。
スポーツはなんでもそうですが、上手くならないと楽しくならないですよね!
なので、この「最短」は日数的な最短ではなく、技術の上達スピードでいう「最短」を目指しています。
そのためにも、基礎となる「オープンウォーターダイバーコース」や各ライセンスコースは、
時間をかけてじっくり学んでいただく必要があったんです。

「SNSI」ではそれができる!

大量生産よりも、時間や手間を惜しまず丹精を込める

今の私はひとりひとりのダイバーさんとじっくり向き合う毎日を送っています。

「どうしたらできるようになるか」
「もう少し習得しやすい方法はないか」
「この技術練習を取り入れてみようか」
などなど、考えることはたくさんです。
なんせ、ダイバーさんによって習熟度も全然違うので、教え方も毎回少し変えたりしてます。

ショップの写真

でも、通っていただけるダイバーさんの上達を見ていると、
毎日が楽しくてたまりません。

ただ、せっかく身につけた技術も、実際に使わないと忘れてしまいます。

だから、できるだけ「ダイビングを続ける」方法や手段も取り入れています。
ダイバーさんから、潜りに行くご予約をいただけると、「平日でも」「おひとりでも」海に繰り出しちゃいます。
機会を逃すのがもったいないから・・・っと皆さんには話していますが、
実は、私自身ダイバーさんと一緒に潜るのがとても楽しいからなんだと思います。
(ナイショですよ!誰かにちゃんと仕事しろって怒られちゃいます(笑))

「技術習得に効率を捨てる」
「ボーダーラインよりも限りなく高いレベルをめざす」
「日数的最短ではなく、上達スピードの最短をめざす」
「平日ひとりでも海に繰り出す」

サンズは、今日もできそうでできないことをカタチにする業界でも異端なスクールとして突き進んでいます。

皆さん、最後まで「オーナートーク」をご覧いただきありがとうございます。
次はぜひ、こんな感じ↓↓↓に一緒に海を楽しんでください。